

Pâtisseries Régionales Françaises
フランス地方菓子
プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール、頭文字をとってPACAパカと称します。非常に公汎な地域を含んでいますが、他は思いのほか共通点が多いです。まず、歴史的に見ても何故この地域圏にHautes Alpesオート・アルプ県が入っているのかわかりません。ここは伝統的にDauphinドーファン伯領であり、その後のDauphinéドーフィネ州の南端に位置しており、文化的にもそちら寄りのものが多く見られます。他の地域は概して多くの共通点が見られますが、これは中世初期のRoyaume de Bourgogneブルグンド王国(Franche Comtéフランシュ・コンテ地域圏参照)から始まり、15世紀までは神聖ローマ帝国(形骸的にはブルグンド王国(アルル王国とも)の名の下)プロヴァンス伯領であり、その後はフランス領であったという歴史的バックグラウンドがあるためです。Alpes Maritimesアルプ・マリティーム県に関しては、同時期に一旦フランス領となった後、近世にはSavoieサヴォワ公国、それに続くSardaigneサルディーニャ王国(後のイタリア王国)の一部になり、フランス革命期にはフランスとサルディーニャ王国との間を行ったり来たりして最終的にフランスに併合されたのは19世紀半ばのことです。このようにAlpes Maritimesについては近代までイタリア文化の影響が続いていました。現在ではフランスのみならず世界的にvacancesヴァカンスのリゾート地として有名であり、個人的には温暖で過ごし易いイメージがありましたが、夏も湿気が多く、 もちろん冬は寒く て寒ければ観光客もいないですし、冬は夏とのギャップで非常に寂しい空気が流れています。
【Provence-Alpes-Côte d’Azur ( PACA ) /
プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール(パカ)】①


Arles / アルル
Arlesアルル駅下車。Nîmeニームから25分くらいです。この町もOrangeオランジュ同様古くローマ時代から栄え、とくにArlesはProvence屈指の大都市としてMarseilleマルセイユを凌ぐ程の規模を誇っていました。また、現在でも多くの遺跡が残されており、その栄華を垣間見る事が出来ます。そして「Arles, monuments romains et romansアルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」として世界遺産に登録されています。また、この町はVincent van Goghヴィンセント・ヴァン・ゴッホの「l’Arlésienneアルルの女」でも有名です。町の民俗学博物館に行くといつでも民族衣装を来た「アルルの女」に会う事が出来ます。

Avignon / アヴィニョン
Avignon Centreアヴィニョン・サントル駅下車。Nîmeニームから30分くらいです。AvignonにはAvignon TGVという駅もあり、TGV専用の停車駅となっていますが、中心地からはかなり遠いので、シャトルバスに乗ることになります。この町は「教皇のアヴィニョン捕囚」として日本でも知られています。このようにしてこの地に教皇庁が置かれ、Palais des Papes教皇宮殿などの歴史的建造物が多く、「Centre historique d’Avignon : Palais des Papes, Ensemble Épiscopal et Pont d’Avignonアヴィニョン歴史地区 : 教皇宮殿、大司教座の建造物群およびアヴィニョン橋」として世界遺産に登録されています。城壁に囲まれた雰囲気のいい町です。

Bonnieux / ボニュー
Avignonアヴィニョンからバスで45分くらいです。しかし、降りたgare de Bonnieuxという場所は国道沿いのなにもないところで、そこから村までは農道のような周りを畑で囲まれた道を歩くこと1時間半ほどかかりました。バスによってはしっかりとcentre中心まで行ってくれますが、ちょうどよい時間ものがなくこれに乗ってしまいました。parc naturel régional du Luberonリュベロン自然地区に位置しています。この町には珍しくboulangerieパン屋に関するmusée博物館があることを知ったので訪れましたが、ちょうど冬休み期間にあたり、見学する事はできませんでした。夏にはvacanceヴァカンス客で賑わうようですが、この11月には人気もまばらで閑散としていました。村自体は古い町並みが残ったいい佇まいですが、いかんせん小さいです。菓子屋も特になく、なんのために行ったのやら、という感じでした。もちろん帰りも国道まで1時間半歩きました。

Marseille / マルセイユ
Marseille Saint Charlesマルセイユ・サン・シャルル駅下車。NiceニースからTGVで2時間半くらいです。PACAの首府であるだけに非常に大きく、フランスでもParisパリに次ぐ第二位の規模を誇る都市です。また、地中海最大の貿易港でもあります。そのため、雑多な人種が入り乱れ、フランスで最も危険な町としても知られています。実際、知り合いのフランス人達にMarseilleに行く事を告げると「気をつけろ」と耳にタコができるくらい言われました。夜に最も危ないと言われる駅周辺を歩きましたが、幸運にも危険な状況には巡り会わなかったです。たぶんサッカーのOlympique de Marseilleの試合が行われていたからだと思います。

Monaco / モナコ
Monaco Monte Carloモナコ・モンテ・カルロ駅下車。Niceニースから電車で20分程です。言わずと知れたCasinoカジノとF1の町であり、モナコ公によって統治されている世界で二番目に小さい国家「Principauté de Monacoモナコ公国」でもあります。丘の上にあるMonaco-Villeモナコ・ヴィル地区が旧市街地になり、CasinoカジノやHôtel de Parisオテル・ドゥ・パリなとがある高級市街地がMonte-Carloモンテ・カルロ地区になります。両者とももっとも低いport港のあるLa Condamineラ・コンダミーヌから登りになるので多少疲れますが、それでも十分歩いて回る事ができます。もちろん市バスも走っています。さて、独立国家モナコといってもまわりはフランスに完全に囲まれているわけで、菓子に関しても他のPACAの町とそう変わら ないものが売られています。ただし、旧市街地の町並みに関しては、中世に都市国家ジェノヴァ共和国によって建設され近代も一時期はイタリアのサルディーニャ王国の保護下に入るなど、多分にイタリア的な要素が見受けられます。

Nice / ニース
Nice Villeニース・ヴィル駅下車。ParisからT.G.V.で6時間くらいです。言わずと知れたVacancesの町です。1年を通して観光客がたくさん来ますが、もちろん夏には地元民よりも避暑地客のほうが多いのではと思うくらいです。トラムも走る一本大きな目抜き通りがあり、その突き当たり から建物の中に入っていたあたりが旧市街になります。旧市街といってもあくまで「昔風」であります。フランスと言うよりもむしろイタリアに近いのではと思います。もちろん国境もすぐそこですし。ここまで来ると海岸は目と鼻の先ですが、Niceの海岸はsable砂浜ではなく、Galet砂利浜です。そして、さすがにそれほど綺麗ではありません。もっと(といっても電車で3・4駅ですが)イタリア国境方面かAntiveアンティーヴの方に行くと観光客も少なく、綺麗な海岸が開けています。